一企業が単独で企画し、発行している Factom(ファクトム)について解説します。その企業が実施するプロジェクトの動向によっては、高騰も見込めるコインです。

情報管理に変革を起こす?

Factom というのは、アメリカの「Factom Inc.」という企業が有する、文書や書類などをブロックチェーン技術を応用して記録・保管するプラットフォームのことです。

この技術を利用することで、世界中で扱われている個人情報や契約書、機密文書などのやりとりを、より安全かつスピーディーに行えるようになることが期待されています。

同社は、 Factom にまつわる事業を行っていくうえで、「Factoid(ファクトイド)」という名前のトークンを発行しています。

Factoid は2015年に公開された仮想通貨で、情報の保守性の高さを象徴するように、fact(事実)という言葉が元になっています。記号はFCTです。

特に不動産の契約、医療機関の患者情報管理において先行してプロジェクトが進められており、実用化が近いことから需要が増え始め、コインの価値が上昇しつつあります。

FCTは、公開当初は10円前後で推移していたのですが、2016年には一気に高騰し、400円前後となったあと、さらに2500円以上にまで値上がりしました。

日本で取り扱っている取引所には、コインチェックがあります。上昇傾向にあるとはいえ、他のコインにくらべると変動幅が大きくなりますので、購入時には動向をよく見極めましょう。

 

ブロックチェーンの発展型

Factoid は、ブロックチェーンを応用してさまざまな用途に活用するためのものであるとして、ビットコイン2.0に分類された仮想通貨の1つです。

単なる電子コインというだけでなく、ブロックチェーン上に電子データ化されたドキュメント(書類)を記録することができるというのが、その特徴です。これは、ビットコイン後に開発された新しい技術です。

ここで少し、ビットコインのブロックチェーンについて、おさらいしてみましょう。

ビットコインをはじめとしたブロックチェーン技術を用いた仮想通貨は、取引履歴をブロックチェーン上で管理することによって、情報をあちこちのコンピュータで分散して管理するというかたちをとっています。

そのため、一部の人や組織に情報管理が集中する従来のかたちよりも、情報やデータの健全化に役立つという考え方が世界的に認知されるようになってきています。そうであれば、政府や大きな企業による情報の隠蔽というのも行われづらくなるでしょう。

また、このシステムを利用することで、バックアップがなければ「データを管理しているサーバーが壊れるとデータが完全に失われてしまう」という問題は起こらなくなります。

このように、二重の意味で、ブロックチェーンはデータの保持管理に用いる技術として、非常に安全なものだといえるでしょう。

そのような基盤をもつブロックチェーンにおいて、契約書などの重要な文書や個人情報を記録する機能が加わったとなれば、利用しない手はない・・・というのが、この Factom なのです。

 

プロジェクトは主に2つ

こうした Factom への期待値は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が5000万ドルを寄付したり、米政府機関(日本でいう国土交通省)が協力していることなどからも見てとれます。

Factom は、2017年6月に、同財団と連携して米住宅ローン市場におけるデータ管理についての計画を開始しました。

住宅ローンには、不動産業者や金融機関という第3者が絡んできます。Factom を利用して中間マージンの発生を最小限に減らし、しかも従来よりも安全に取引ができることになれば、売り手・買い手双方にとって大幅に手間が省け、コストや時間を短縮できます。

アメリカの住宅ローン市場は1兆ドル規模とされていますが、さらに世界中の住宅ローン市場を席巻する可能性も考えられるでしょう。

また、Factom は、医療機関で患者情報を管理するためなどに利用できるステッカーを開発しています。

これはQRコードを発展させたような技術で、ステッカーを読み取ることで、そこに記録されたデータを取得することができます。

これにより、患者の移送時などに行われていた煩雑な手続きが簡易化され、迅速な医療行為や医療機関のコスト削減に役立つと考えられています。

こうした大規模なプロジェクトが進行中の Factom というプラットフォームを使うには、利用料金が必要となります。その支払いに唯一使えるのが Factoid です。現金やビットコインがいくらあっても、Factoid がなければ、このシステムを利用することはできません。

つまり、書類や記録の保存・管理に Factom を使うことが一般化した世界では、Factoid を多くもっている人が非常に優位に立つことになるわけですね。

実用化から一般化への道はそう簡単ではありませんが、長期的に動向を追うべきコインの1つであることは間違いないでしょう。