2018年6月18日、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が自主規制ルール案をまとめたと日本経済新聞で報じられました。仮想通貨の市場はまだ歴史が浅く参加者が少ないことで、価格の乱高下が激しい市場でもあります。またルールがまだ確立されいない世界なので、一般人には知り得ない情報が裏では行き交い、意図的な価格の変動があることも事実です。そこでJVCEAがそういったインサイダーを取り締まるルール案をまとめました。

 

「日本仮想通貨事業者協会とは?」

日本仮想通貨交換業者協会(以下JVCEA)は仮想通貨ビジネス勉強会から、2016年12月に組織改編され成立した一般社団法人です。

 

所在地:東京都千代田区永田町2-14-3 東急不動産赤坂ビル12階(澤・紅林公認会計士事務所内)

 

協会の目的は、銀行・証券会社・金融商品取引業者が日本国内において仮想通貨ビジネスを始めるあたり、必要な情報の調査・研究、知見の集約、意見交換を積極的に行い、健全な仮想通貨市場の発展を目指しています。

 

「日本仮想通貨交換業者協会(JVCEA)がまとめた自主規制ルール案」

仮想通貨ではまだ無秩序だった取引や内部情報の管理体制、インサイダー取引などの規制ルール案がまとめられました。正式にはまだ決定ではありませんが、まとめたルール案は100ページ近くにもなり、大きく分けて4つの草案があります。

 

その中にはアフィリエイト、マネーロンダリング、インサイダー、裁定取引などが盛り込まれています。またルール案がまとめられたと報じられた翌日、今度は金融庁が仮想通貨交換業者5社以上に、内部管理体制に不備があるとして業務改善命令を週内に出すよう報じました。

 

「草案となっている自主規制ルール案の詳しい内容」

・成果型報酬(アフィリエイト)による勧誘の禁止

仮想通貨市場を宣伝しすることで新規ユーザーの増加につながり、市場規模の拡大に繋がった点は評価されましたが、行き過ぎた勧誘や、仮想通貨取引を不用意に煽ることで、仮想通貨への投機が加熱し、今まで投資経験のないユーザーの増加は、詐欺や大きなリスクを追う危険性もあるとしています。

 

また仮想通貨のアフィリエイトなどを行う同業者が市場の独占率を広げるために、「過当競争」が起こる可能性を懸念しています。仮想通貨やブロックチェーンは新しい技術なので、成果報酬のためにあやふやな情報を掲載したり、過剰に投機を推してくる業者も存在します。

 

ユーザー側の対策としては、いくつか複数のサイトなどを調べることがポイントです。1つのところで満足せずに、信用性があり正しい情報を集めることが大切です。

 

・資金洗浄(マネーロンダリング)

仮想通貨は犯罪に関わった金銭を洗浄化する「マネーロンダリング」の温床になりやすいと言われましたが、ビットコインなどの送信者のアドレスの履歴を追えるようなオープンソースの仮想通貨では、マネーロンダリングはされにくいとされています。

 

しかしビットコイン誕生後、送金者のアドレス記録や履歴の追跡が困難な匿名性の高い通貨が開発され、それがマネーロンダリングの温床になる可能性があると懸念されています。

 

自主規制ルール案では、公認会計士や監査法人による監視が難しい通貨の取り扱いは禁止される方針です。したがってモネロ、ジーキャッシュ、ダッシュなどの匿名性が高通貨は、原則取引禁止か金融庁に届出を行うことが義務付けられます。

 

コインチェックも匿名性の高い4種類の通貨を取り扱いを中止にすると発表しました。

 

・不公正取引(インサイダー)

株式にはインサイダー規制法がありますが、仮想通貨市場はまだ若く、特に規制はありませんでした。

しかし日本で、一般の投資家やユーザーが知り得ないタイミングで、通貨の価格が高騰するケースがいくつも確認されました。

 

そこで今回のルール案に「仮想通貨の内部関係者のみが知り得る情報を使用した不適切な取引を未然に防ぐ」ことが明記されました。つまり日本国内の仮想通貨交換業者の役職員に対し、事前に入手した情報を基にした取引を禁じる内容です。

 

仮想通貨の内部関係者(取引所など)のみが知り得る情報を使用した不適切な取引は、ルールが決定次第、禁止となります。健全な仮想通貨市場を目指す上で、不公正な取引は排除しなければならない問題です。

 

・不透明な裁定取引(アービトラージ)

投資の世界ではよく聞く言葉の裁定取引(アービトラージ)ですが、仮想通貨の世界では不透明な取引とされ、個人投資家に提示するビットコインなどの売買価格が、市場の実際の価格から大きく離れ、さらにアービトラージを助長することが問題視されていました。

 

仮想通貨は株と違って、取引所間を送金できるメリットがあります。安いところで購入し、最も高い値をつけている取引所に送金し、そこで売却することが可能です。そういった市場に対して不透明な取引はシステム強化で解消させる狙いがあります。

 

「金融庁が仮想通貨交換業者に対して業務改善命令」

JVCEAが自主規制ルール案を出した後、金融庁が仮想通貨交換業社に対して、内部管理体制に不備があるとして業務改善命令を出しました。つまりインサイダーやマネーロンダリングの対策強化を指示しました。

 

内部管理体制に問題があるとわかった理由は、金融庁がコインチェックのハッキング以降、セキュリティや業務体制について、2月から取引所へ立入検査を行ってきました。その結果、各取引所へ業務改善命令が出されました。

 

「取引所に業務改善命令として出された内容」

・経営管理態勢の抜本的な見直し

・マナーロンダリング、テロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築

・利用者財産の分別管理態勢、帳簿書類の管理態勢の構築

・利用者保護措置に係る管理態勢の構築

・システムリスク管理態勢の構築

・利用者情報の安全管理を図るための管理態勢の構築

・利用者からの苦情・相談に適切に対応するための管理態勢の構築

・仮想通貨の新規取扱等に係るリスク管理態勢の構築

・上記の事項の第三者機関の検証受けること。

 

上記の業務改善命令の内容はビットフライヤーからユーザーに連絡された内容です。他の取引所でも同じような内容の業務命令が行われています。

 

「自主規制ルール案の影響か、市場の価格は下落」

市場ではビットコインを含め時価総額上位の仮想通貨が軒並み価格を落としました。ビットコインに関しては22日の前日比でマイナス5.58%、23日も前日比でマイナス2.25%、24日では前日比でマイナス4.29%も下落しています。

 

2018年6月26日の価格は686,790円とついに60万円台まで下がりました。この下落は他のアルトコインでもほぼ似たような動きを見せています。JVCEAの自主規制ルール案と金融庁の業務改善命令の影響も少なからずはあるでしょう。

 

「自主規制ルール案についてのまとめ」

ついに仮想通貨にもインサイダー含め規制やルールが明確になりつつあります。公平で健全な市場になることで仮想通貨を初めてみようと考えるユーザーが増えることにも繋がります。何よりユーザーが増えなければ市場が拡大しません。これから仮想通貨を始める場合は、色々なサイトで下調べを行ってから始めましょう。